2009/04/13

親父へ



今日が、あの世での親父の誕生日ですね。

この世での77年間、ご苦労様でした。
そしてありがとうございました。

親父が居たから、いまここに僕が居ます。

77年間の人生、どうでしたか?
そんな簡単に聞いちゃいけないのかもしれないけど、
こういう話はしたことが無かったかもしれないですね。

このまえ、実家の写真を整理していたら、
親父の若かった頃の写真が何枚か出てきました。
恐らく僕が生まれる前の写真です。

写真の裏には「戦場に架ける橋にて」とメモがしてありました。
その後に漢字が何文字かで何か書いてあったのですが、
字が汚すぎて読めませんでした。
でも、未来の自分に向けてのメッセージのようなものだった気がします。

その時に思った人生を全う出来たのですか?
それとも違う人生になったのですか?
または、そんな事すら忘れてしまうような人生だったのですか?

もっと元気なうちに聞いておけば良かった。

昨日、病院の301号室で会ったのが最期になってしまいましたね。
あれから僅かの時間で逝ってしまうなんて思っていませんでした。

親父は話す事も出来なかったけれど、
僕をちゃんと見ていたし、会話が出来たような気がしています。

二十歳の頃、親父に会えなくなる日が来るなんて、思った事もありませんでした。
三十になった頃、少しだけそんな事を考えるようになりました。
四十を過ぎて、親父は病気になり、覚悟が出来るようになりました。

先週、親父の見舞いに行った帰り道に、頭の中にある親父との記憶を手繰り寄せてみました。
僕は小さい頃から親父と離れて暮していた時期が多かったせいか、
断片的にしか思い出がありません。

殆ど楽しかった時の思い出しか出てきません。
けれど、一度だけ親父と大喧嘩した時の記憶が出てきました。
なんであんなに親父に対して僕が怒ったのかは思い出せないけれど、
あの後で物凄く後悔した事だけ覚えています。

あの時も謝ったと思うけど、もう一度あらためて、
ごめんなさい。

いま僕もこの年齢になって、親父の苦労や苦悩が少しだけ理解できるようになってきました。

親父が病気になり、そして逝ってしまってから、いろんな事を考えます。

もうすぐ新しい命も産まれます。
昨日も言ったけど、たぶん女の子です。
元気な赤ちゃんを見せて、抱っこしてあげて欲しかったのに、
死んじまうんだもんな。

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