2006/04/14

あの頃のぼくの話1


■My First Computer■
「ぴゅう太」をご存知だろうか?
それはTOMYから発売されていた日本語BASICの書ける16ビットのコンピューターだ。
パンフレットの、やけに真剣な子供の顔が怖かった。

これこそ僕が手にした初めてのコンピューターなのである。
キーボードは消しゴムみたなペコペコのヤツで、ディスプレイは家庭のテレビを使う。打ち込んだプログラムやドットで緻密に描いたグラフィックはカセットテープレコーダーでセーブ&ロードを行う。ピー・ガーと異音を奏でながらデータを音声に変換しながら記録するのだ。大昔のアナログモデムの接続音を思い出してもらえれば想像出来るかもしれない。
このデータは記録するにも読み込むにも相当な時間が掛かったが、一度も成功した試しがない。つまり、たとえ何時間もかけて一生懸命に作ったものであっても一期一会。それはまるで「砂曼荼羅」のようだ。
このぴゅう太で色々と作品を創った。
絵も描いたし、ゲームも創った。
今思えば、僕の初のCG作品は「ぴゅう太」で描いたのだ。
確か、ゴルゴ13の顔を描いた気がする。
初めて作ったゲームは、イヤらしい目をした偽ミッキーが登場する横スクロールのジャンプゲームだ。障害物とかそんなのは無い。
ただジャンプするだけなので面白くもなんともないシュールなゲーム。
それでも気分は時代の寵児、最先端だった。
ハイテクを使ってモノ作りをする楽しさはぴゅう太がきっかけだった事は間違い無い。
その後、親父が「会社で使っているパソコンがいらなくなったから持ってきてやる」。と言って持って帰ってきてくれたのだが、僕の知っているパソコンとはなんだか様子が違う
本体正面に漢字で「書院」と書いてあった。
親父はパソコンとワープロの区別がつかなかったのだろう。
親父よ、ありがとう。

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