2007/10/30

引越しの話。

ブログを更新していないじゃないか!という叱咤激励が四方八方から寄せられたので、
過去を振り返りmixiより転載します。
まとめて以下に。

--2007/08/12----------------------引越し屋の話

ネットで引越し屋一括見積りを頼んでみた。
翌日に早速、テレビで宣伝しているような有名業者から全く聞いた事もないところまで10社以上の見積りメールが届き始めた。
その中で目を疑うほど格安の業者が居た。
しかも『さらに値引き』みたいな事が書かれている。
早速電話してみると、電話応対も素晴らしい。
そして希望日に対応してくれるというではないか!
さらに俺は『随分安いけど、もっと安くなんの?』と聞いてみた。
すると何と、他の業者アベレージ価格の約半額近くになったのだ!
ちょっと不安もよぎったものの、愛想も良いし頼んでみる事にした。
2〜3日経って家のポストにその業者から郵便で見積り書が届いていた。
封を開けて中身を見ると、なんとそこには!

続く

--2007/08/14----------------------引越しの話 の続き

なんとその見積り書にはこう書かれていた。

『仏滅特別割引!』

なるほど、安い理由が分かった。
先になんか言えよ、おい。
そんなもん気にならないと言えば嘘になるけど、その他諸々の組んでしまった予定もあるので気にしないようにして先に進む事にした。
ちなみにその引越業者の名は「感動引越センター」だ。
ある意味「感動」した。

引越し前日作業を前提に別の業者さんにハウスクリーニングも頼んだ。
これもネットで見積りを依頼した。
その中でネーミングだけで何となく信用してしまう業者を発見。
その名も「おそうじ本舗」だ。
その昔「夜逃げ屋本舗」なる映画があって、その劇中で中村雅俊が良い仕事をしてた。
同じノリを期待したわけでは無いが、なんか良いじゃないか「おそうじ本舗」。
電話してみると「どうしよっかな〜・・ん〜」と悩んでいる。
どういう事だ?
電話口に出た男の話を聞くと、前日の仕事が深夜12時から朝迄の仕事で、ウチの掃除をするとなると寝ずにやることになるのだそうだ。
知るか、そんなこと。
なので「じゃあ寝ないで来ればいいじゃん」と軽く提案すると、その男も軽く「そっすね!じゃ受けさせて頂きます!」と軽く返してきた。
ノリが良いじゃねぇか、この会社。

一応、念の為にこの両業者に「来てくれるのは有り難いけど、ウチに来るの大変だから覚悟しといて」と言っておいた。
そう、新居への道のりは険しく、初めて来る人のほぼ100%がビビる。
まず第一関門として国道から路地を入ると超急勾配なウェルカム坂道が行く手を阻む。
初めてジェットコースターに乗った幼い頃を思い出すだろう。
根性を出してそこを無事に通過したとしても気を抜いてはいけない。
さらに舗装されていない「もののけ姫」みたいな狭い坂道が続くのだ。
ここで殆どの人は脳が麻痺するか、心の底から後悔する。
たぶん道幅としては車一台が余裕で通れる道なんだと思うけど、左側面にうっそうと茂る木々と右側面に続く崖が恐怖心を煽るだけで、本当は全く問題無い道なのだ。
「たぶん」だけど。

引越し当日のエピドソード編に続く

※意外にもこんな下らない話に食いついて下さった皆様。
ありがとう。
大した話じゃなくてすみません。
ヒマなんですね。

--2007/08/15----------------------引越しの話 エピソード3

金曜の朝、おそうじ本舗の山本はやってきた。
道に迷って。というか、この先に民家は無かろうと途中で引き返したらしい。
約束の時間から遅れる事約30分。
『いや〜迷っちゃいましたぁ!』
見た目は若い頃の小野田さんみたいな男だ。
応対も良く好青年である。
『うわ〜、朝まで掛っても良いすか?』
全然構わないからやってくれと言って鍵を渡した。


眠くなったので続く・・・

--2007/08/22----------------------引越し前日

小野田さんに鍵を渡し、届く予定だった荷物を宅配業者から受け取り、俺は夕方になってから東京のマンションへと車を走らせた。ハイウェイに乗れば約1時間で原宿に着く。

車の中で葉山での新生活を色々とシミュレーションしながらハンドルを捌く。
その時、ふと思い出した。
そう言えば明日は引越しなのに殆んど用意をしていない。
引越屋から届いた段ボール箱はヒモで束ねられたままだ…。
あまり考えると気持ち悪くなるので友人とメシを食いに行く事にした。

--2007/08/22----------------------引越し前夜

夜は食事の約束があったので友人と渋谷で待ち合わせた。
その友人が経営する会社のバイト君達が一緒に来た。
彼等は東大生だ。
メシを食いながら『君達は東大に入学した時点で人生の運を半分は使い果たしてるんだから、これから人一倍努力しないと勝ち残れんぞ!』と、何の根拠も説得力も無いヨタ話をしながらホロ酔い気分で豚しゃぶを食った。
帰り道で、何か忘れているような気がして一生懸命記憶を辿ってみた。
『そうだ、明日は引越しだ』
そう言えば荷物を全くパッキングしてない!
あれ?数時間前にも同じ事を考えた気がするぞ?

考えても仕様がないので独りで西麻布のBARへバーボンを飲みに行く事にした。

続く

--2007/08/22----------------------引越し当日

昨晩、結局飲んでしまいロクに箱詰めが出来なかったので、友人のロド氏に朝から手伝ってもらい、何とか終了した。
さすがに自衛隊出身だけあって手際が良い。
そうこうしている間に引越屋の兄ちゃんがやってきた。
ロド氏の手際どころじゃない早さでテキパキとトラックに荷物を運んでいく。
驚くほどの早さだ。
しかもやけに愛想の良い兄ちゃん達だった。
その業者の名は”感動引越センター”だ。
聞いた事も無い。
ダンボール箱から先に奥にどんどん積んでいく。
ベッドを解体し、冷蔵庫を運び、洗濯機を積込み、そもそもそれほど荷物の無い家ではあったが、それなりの引越しらしくなり、ほぼ完了に近い状態になった。
「それじゃ、俺は先に車で行ってるから、分からなかったら電話して」と告げ、車に乗ろうとしたら鍵が無い。
あれ?どうしたっけ?・・・。
しばらく考えてから思い出した。
昨晩飲みに行く時に、駐車場に車を入れて、その時に小さい鞄の中に鍵をしまって、その鞄は引越の時に邪魔だから、ダンボール箱に詰めて荷物で新居まで運んでもらおう。と。
あ、箱の中だ。
引越屋の兄ちゃんに「あのさ、箱出せる?鞄って書いてあるやつ・・・」
愛想の良い兄ちゃんは笑顔でこっちを見て何も言わない。
たぶん嫌なんだろうな。と悟った。
仏滅割引だし、到着してからの彼等の地獄を考えるとそれ以上は強制出来そうも無いので、スペアキーを取りに行く事にした。
そもそもこの車は、俺の車ではなく、友人の松本おじさんから預かっている車なのだ。
なので松本おじさんに電話する。
「車の鍵、貸して」
「なんで?」
事情を説明し、洗濯中の松本おじさんの元に鍵を取りに行き、無事に出庫が出来た。
1時間かけて葉山の自宅付近の国道に到着すると、なんだか見覚えのある兄ちゃんが道を走り回っている。
あれ?誰だっけ?
あ、引越屋だ。
「なにやってんだよ?」と声をかけると「道が分からなくて」と言っている。
「じゃあ、すぐそこだから乗りなよ」と言うと「走って現場の状況確認しますから!」と元気良く答えたので「あそう?大変だよ」
と言いながら車を出すと、本当に走ってついてきた。
バックミラーで確認しながら家に向かう。
ここから我が家へ続く道は地獄なのだ。
まず、これまでに経験した事の無いであろう坂道が続く。
ここは舗装されているからまだ良い。
それでも道が目線の高さに見えるほどの坂だ。
さらに続き、ここからは山道である。
丁度タイヤ幅二本分の石が敷かれた山道だ。
右脇は崖である。
そして木が覆い茂り、背の高いトラックは樹木が邪魔をして入ってこれない。
それは予め引越屋に伝えてある。
バックミラーを見ると兄ちゃんは倒れそうになっている。

彼がなんとか家まで辿り着き、深呼吸をしながら「それではこれから荷物を運ばせて頂きます!」と言った時、俺は素直に「偉いな、君」と言ってやった。
家に入ると見知らぬ男が「おかえりなさい!」と声をかけてきた。
ビックリしてよく見ると、昨日の掃除屋だった。
あぁ、そういえばこんなヤツに掃除なんか頼んだっけな。
昨日から何だか色々あってすっかり忘れていた。

後編に続く

※と、書いておきながらここで力尽きる。

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