2007/10/25

丹波篠山・最終章


翌朝起きると、目の前の景色は絶景だった。
田舎暮らしに憧れる人が見たら、これだけでメシ三杯はいけそうな景色だ。

午前中から兵庫陶芸美術館に行き、聴講生の方々とワークショップを始める。
http://www.mcart.jp/
午後からは「ポスト民芸/陶芸のゆくえ」というシンポジウムがある。
今日の俺は轆轤(ろくろ)の気分だったので、アシスタント(陶芸では先輩)のタケシ君に手伝ってもらう。
タケシ君は地元の窯元だ。
轆轤ではやってみたい事が二つあった。
一つは、轆轤で良い感じに形を作って・・グニャ!
「あ〜!やっちゃったよ!」ってのを経験してみたい。
二つ目は映画「ゴースト」のワンシーンから、美女の後ろから轆轤に手を添える。
というヤツだ。
しかし、見渡したところ美術館だけあって骨董的価値のある美女しかいない。
なので却下。
轆轤の中心に土を盛ってもらう。
タケシ君から「宮田さんは右回りですか?左回りですか?」と聞かれた。
どちらかと言えば右寄りだ。
と答えると轆轤が時計回りに動き始めた。
なんでも、その地域などによって回転方向が違うのだそうだ。
京都は右回りで、この丹波は左回りらしい。
南半球と北半球で排水口に流れ込む水の回転方向が違う。という都市伝説とは話が違う。
何を作ったら良いものか、昨日飲み過ぎたせいで頭の中が整理出来ていないので、とりあえず手に任せた。
デカい物を作りたかったのだが、まず手始めに小さめの香炉を作ってみる。

グニャグニャの土が回転しながらカタチになっていく様はステキだ。
CGなんか目じゃない。
次に少し大きめの灰皿を作る。
これはヘラを使い削りながらシャープなエッジにしてみた。
そしていよいよ巨大な甕(カメ)を作る。
これが難しい。
土を高く薄く上に向かってグイーっと盛り上げていくのだ。
この動作を専門用語で何というのか知らない。
そこんとこが難しいのでタケシ君にやってもらう。
かの北大路魯山人も大体は弟子にやらせて、出来たところでグニっと曲げてサインして終わりだったそうだ。
俺はもう少しちゃんとやった。
素晴らしい甕が出来た。

これが中期の作品である。
俺は手がぶれず、スジが良いと言ってもらった。
たぶん写真を撮るから手ぶれがしないんだと思う。
そして最後に荒々しい花瓶を作りたくなったので、これは手捻りとたたらを組合わせアートな作品にしてみた。

これが晩年の作である。
全ての作に名入れをして、ここまで完成。
後は市野先生が焼いて下さるらしい。
良いんですかね?こんなんで。
次回、もしやる機会があれば今度は是非とも登り釜で「焼き」をやってみたい。
陶芸はハマりそうな程、面白かった。

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